澄田さんは広めたい 第3話「仮面ライダーW/ダブル」
初めまして。初めてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。
『広めたい』シリーズも第3話に入りました。今回紹介する作品はこちら。
仮面ライダーW/ダブル
2009年秋から2010年夏にかけて放送された、平成仮面ライダーシリーズの第11作目です。左翔太郎と相棒のフィリップが、ガイアメモリという不思議なUSBメモリの力で2人で1人の仮面ライダーに変身して怪人ドーパントと戦います。言わずと知れた有名俳優の菅田将暉さんのデビュー作でもあります。テレビシリーズ終了後も、Vシネマによる続編と、テレビシリーズのその後を描いた漫画作品で展開を続けている大人気作品です。
YouTubeでは現在、第一話と第二話が公開されているのでそちらもぜひご覧ください。
第一話
第二話
前置きはこのくらいにして、紹介に移りたいと思います。
目次
○あらすじ
あらゆる場所で風車が回る風の街・風都。今から1年前(2008年)、私立探偵の鳴海荘吉とその弟子の左翔太郎は、謎の組織に拘束されていた少年を助け出す。脱出の途中に荘吉が追手の凶弾に倒れ、残る2人も絶体絶命の窮地に陥る中、少年は翔太郎に謎の機械を渡し、こう告げた。「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」
そして2009年秋、荘吉の後を継いで探偵業を営む翔太郎と1年前に救出された少年フィリップの元に、荘吉の娘鳴海亜樹子が事務所からの立ち退きを要求しにやってきた。翔太郎に付きまとううちに、亜樹子は風都で怪事件を起こす怪人ドーパントの存在を知る。そして、翔太郎とフィリップが変身する風都を守る戦士仮面ライダーWの戦いに深く関わっていくことになる。
1.ストーリー・作風について
あらすじを見ての通り、探偵モノの流れを取り入れた作風です。ただし、子供にもわかりやすいようにするためか本格的な推理シーンはあまり無く、個人的に劇中の翔太郎達の行動はいわゆる便利屋に近いという印象です。また、話の全体像はかなりシリアスですが、主人公や周辺の人物達のコミカルな掛け合いなどもあり、明るい作風を取り入れている所も特徴です。
2.登場人物・用語
①主な登場人物
○左翔太郎/仮面ライダーW(左)
本作の主人公。仮面ライダーWに変身して戦う鳴海探偵事務所の職員。正義感が強く、心優しい熱血漢。風都を『自分の庭』と呼ぶくらい知り尽くし愛している。ハードボイルドに憧れているが、お茶目で情に流されやすく、仲間からはハーフボイルドと揶揄されることもある。
仮面ライダーWは、彼の身体を基盤にして、そこにフィリップの意識が乗り移る形で変身する(例外もある)。
○フィリップ/仮面ライダーW(右)
仮面ライダーWに変身する翔太郎の相棒。『地球の本棚』という空間にアクセスして様々な情報を調べられる能力を持ち、それで翔太郎を助けている。一度興味の対象を見つけるとそれ以外には見向きもせず、寝食も忘れて検索に没頭するが、対象の知識を完全に読み終えると掌を変えたように無関心になるという極端にマイペースな性格。
○鳴海亜樹子
鳴海探偵事務所の所長。行動力に溢れ、ずうずうしく目立ちたがりだが、探偵事務所を経営するだけあってか正義感は強い。翔太郎のツッコミに回ることが多い。
○照井竜/仮面ライダーアクセル
家族の仇であるW(ダブリュー)のガイアメモリを持つ男を追って風都にやってきた警察官。風都を腐った街と呼んで嫌っている。仮面ライダーアクセルに変身して戦う。
登場するのは物語中盤からとなる。
○園咲琉兵衛/テラードーパント
風都では知らない者はいないと言われる名士。博物館の館長も務める。その正体は、ガイアメモリを風都にばら撒いている組織ミュージアムの首領。
○園咲冴子/タブードーパント
琉兵衛の長女。ディカルコーポレーションの社長にしてミュージアムの幹部。プライドが高く、自分の目的に不要となれば旦那ですら切り捨てる冷酷な性格。
琉兵衛の次女。風都で人気のアイドルで、よくラジオのパーソナリティの仕事をしている。翔太郎とフィリップも彼女のファン。プライベートではよくイライラしており、姉の冴子とは対立が激しい。
○園咲霧彦/ナスカドーパント
冴子の婿にしてミュージアムの幹部。ガイアメモリの密売セールスマンとしては最高位の業績を誇る。また、ガイアメモリを人類の進化や発展に貢献できるものと信じている。
○鳴海荘吉/仮面ライダースカル
鳴海探偵事務所の初代所長。本編では故人。亜樹子の父で翔太郎の師匠。翔太郎からはおやっさんと呼ばれ、慕われている。いかなるときも冷静さを保ち、自分の感情を押し殺してなすべきことをなす、ハードボイルドを体現したかのような人物。
スカルに変身した姿が見られるのは劇場版のみとなる。ダブルが現れる前に風都を守っていた。
②用語
○風都
本作の舞台となる街。日本のどこかに存在し、とにかく風が多く吹く地形らしい。そのため、街中に風車が置かれている。巨大な風車を持つ風都タワーは街のシンボル。
○ガイアメモリ
『地球の記憶』を宿すUSBメモリのようなアイテム。これを使うと仮面ライダーやドーパントに変身できる。体の表面にコネクタという印を打ち込み、そこから直接メモリを挿して変身する。仮面ライダーやミュージアムの幹部の場合は、ベルトにメモリを挿して変身する。
アルファベットが刻まれている。
ガイアメモリの力で人が変身した怪人。動物や植物に似たもの、古代生物、病原体、果てや自然現象や抽象的な概念など、モチーフのバリエーションは様々。
これに変身して人を襲えば当然犯罪行為として取り締まられる。
風都の平和を守るために人知れずドーパントと戦っていると言われている都市伝説のヒーロー。
3.「仮面ライダーW」の見どころ
①シリアスとコミカルのバランスの良さ
「W」の前にやっていた「クウガ」〜「ディケイド 」までの平成仮面ライダーシリーズは、『平成一期』と呼ばれ、全体的に重くシリアスなストーリー展開をしていました。「W」以降のシリーズは『平成二期』と呼ばれ、本筋のシリアスさは保ちつつも一期に比べてコミカルな作風を多く取り入れるようになっていきました。「W」は平成仮面ライダーが一期から二期に移り変わる過渡期の作品であるためか、他のシリーズに比べてシリアスパートとギャグパートの塩梅がちょうどいいと個人的に思います。言い換えれば、平成一期で見られたシリアスさと、平成二期で見られるコミカルさが上手い具合に共存した作風が見られると言うことです。
また、そのギャグパートの部分も、翔太郎のお茶目さやその他ゲストを含めキャラが濃い登場人物達の掛け合いのおかげで、とてもキレがあります。
②謎解き要素
「仮面ライダーW」は、主人公達の職業柄探偵ものの側面もあります。1.でも述べたように、対象年齢層の子供に対してわかりやすくする配慮なのか、よくある推理小説のような本格的な推理シーンはあまり多くないですが、数々の証拠を見つけて、そこからドーパントの正体や事件の真犯人の謎を追っていく様子はとても面白いです。
また、その推理についても、あまり本格的ではないからこそ誰にでもわかりやすく、推理ものが苦手な人にとってもありがたい作風であると思います。
③登場人物達の熱い掛け合い
作風もほとんど隙がないくらい緻密に練られていますが、ときに良い感じの勢いの熱い展開も見られます。特に、主人公である翔太郎とフィリップのバディものとしての面白さは、他の仮面ライダー作品にはない熱さと説得力があると個人的に思っています。また、ときに敵キャラとも色々な意味で交流を深めることもあるなど、熱いだけでなく単純な勧善懲悪だけでは片付けられない話があることも魅力です。
この他にも、個人的に推したいポイントとして、照井竜/仮面ライダーアクセルとの交流と関係性の変化があります。細かいところまで書くとネタバレになってしまうので、そこは是非、ご自分の目で見てお確かめください。
4.あとがき
『澄田さんは広めたい』シリーズの第3話では、「仮面ライダーW」を紹介しました。このブログで特撮作品の記事を扱うのはこれが初めてとなります。これ以外にも、特撮を扱った記事を増やせたら良いなと思います。
仮面ライダーシリーズで自分が好きな作品は、今回紹介した「W」の他にもいくつかあります。それもまた、機会があれば紹介してみたいなと思います。
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!