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令和コソコソ噂話 「鬼滅の刃」片羽の蝶

初めまして。初めてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 

今回も「鬼滅の刃」の外伝小説シリーズの紹介をしたいと思います。前回は、そのシリーズの第一弾『しあわせの花』の紹介をしました。

令和コソコソ噂話 「鬼滅の刃」しあわせの花 - 澄田さんは綴りたい®︎

 

今回紹介するのは第二弾、『片羽の蝶』です。

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大人気メンバーであるが中心となる話が多く収録されています。前作に比べて脇役の掘り下げが多く、外伝としての面白さがパワーアップしています。重大なネタバレをしない程度に内容について触れていきたいと思います。

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【注意】この記事には「鬼滅の刃 片羽の蝶」の微ネタバレが含まれます。

 

目次

 

鬼滅の刃 片羽の蝶」とは

悟峠呼世晴氏の漫画「鬼滅の刃」の外伝小説シリーズ第二弾。著者は矢島綾氏。鬼殺隊の状況隊士・柱の面々が登場する短編を5話、「キメツ学園」の話を1話収録。

 

1.片羽の蝶

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①あらすじ

鬼に一家を襲われた胡蝶カナエと妹のしのぶは、鬼殺隊の岩柱・悲鳴嶼行冥に助けられる。しかし、姉妹の両親だけは手遅れであった。愛する家族を鬼に奪われた二人は、『他人にも同じ悲しみを味わうことはさせない、そのために一体でも多くの鬼を倒す』という決意を胸に鬼殺隊に志願する。そんな彼女達が鬼殺の道に進むことに、助けた本人である悲鳴嶼は猛反対していた。

 

②時系列

詳しいことは不明。ただし、コミックス17巻のしのぶの回想に悲鳴嶼が彼女達姉妹を助けに来たシーンがあり、その頃から繋がる話となる。

 

③感想

蟲柱・胡蝶しのぶの過去の話です。彼女とその姉のカナエがどんな覚悟で鬼殺隊に入ったかが詳しくわかります。また、悲鳴嶼も登場するため、彼の掘り下げも少し見られます。

個人的には、本エピソードにおけるしのぶと悲鳴嶼のやりとりで、悲鳴嶼がどうしても鬼殺隊に入りたいしのぶに『亡き両親はお前達が命の危険と隣り合わせとなる道を行くことを望んでなんかいない』と言ったことに対し、しのぶが『父さんと母さんが私に何を望んでいるかなんて、もう誰にもわからない』という風に言い返した流れがとても好きです。本編でもそうですが、しのぶは本当に強いなと感じました。姉をなくした後も、鬼殺の道に進むときに決めた覚悟を胸に戦い続けるしのぶは、とても泣ける人物であると思います。

 

2.正しい温泉のススメ

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①あらすじ

柱稽古に炭治郎より早く取り組むこととなった善逸。最初の関門、元音柱・宇髄天元によるしごきに音を上げながらも必死で訓練にしがみついていた。そんな中、宇髄から稽古の会場の山に温泉が眠っているという話を聞き、特別訓練と称してそれを掘らされるのであった…

 

②時系列

柱稽古(コミックス15巻)

 

③感想

おそらく外伝小説で一番多い回数主役を務めていると思われる善逸。今回も災難な目に遭いました。ただ、宇髄からは『風呂を掘ったら混浴にしてやる』と言われており、それで乗り気になってしまうところはやはり善逸らしいです。それから、遊郭の戦いの後で柱を引退した宇髄ですが、今回の話ではその後のことをどうするか、3人の妻と話し合う様子も見られるため、宇髄ファンにも嬉しい内容だと思います。

 

3.甘露寺蜜璃の隠し事

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①あらすじ

『自分と共に添い遂げる殿方』を見つけるために鬼殺隊に入った恋柱・甘露寺蜜璃。ある日、同じく同性の柱で仲の良い胡蝶しのぶにもそのことを話し、彼女もそういう理由で鬼殺隊に入ったのかと聞く。しかしその後、隠(カクシ)の一員からしのぶの過去を知らされ、彼女の境遇について何も知らずに無神経な発言をしてしまったと甘露寺は深く後悔する。

 

②時系列

那田蜘蛛山の戦いの直後の柱合会議の後(コミックス6巻、アニメ23話の後)

 

③感想

恋柱・甘露寺蜜璃が主役を務める話です。彼女か鬼殺隊に入った動機はコミックス12巻でも語られています。冗談に聞こえますが本人は真面目に言ってます。ただ、鬼に家族を奪われたしのぶにそのことを言ってしまったときに謝りたいと思えるところもあり、決して楽観的なだけの人ではないことが良くわかります。また、ファンブックで触れられているしのぶと甘露寺の仲も描写されており、甘露寺としのぶのファンには嬉しい内容となっています。

その他にも、甘露寺のことが好きな蛇柱・伊黒小芭内も登場するわけですが、普段物言いのキツい彼が甘露寺を褒める時だけはまるで詩人のようになるのでそこも面白かった部分です。

 

4.夢のあとさき

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①あらすじ

蝶屋敷で療養中の不死川玄弥。ある日、鬼殺隊の風柱にして実の兄・不死川実弥が自分の見舞いに来る夢を見る。しかし、現実には彼ら兄弟はお互い立場も心の距離も遠くなってしまっている。玄弥はかつて鬼になった母から自分を守ってくれた兄を『人殺し』と罵ったことをずっと謝りたいと思っていた。そんな自分の過去に、玄弥はふと思いを馳せる…

 

②時系列

十二鬼月上弦の肆と伍による刀鍛冶の里襲撃事件の後(コミックス15巻の時空)

 

③感想

不死川兄弟の過去の話となります。小説次巻では実弥の話が描かれますが、今回は弟の玄弥視点の話です。

原作で最初の頃に実弥を見たときは外見も含めて正直怖い人物だなと思いましたが(担当声優さんも実弥のことを最初そういう役柄だと思い込んでいたそうです)、刀鍛冶の里の戦いでの玄弥の回想で家族思いな優しい兄としての姿が見られました。今回のお話ではその部分をより掘り下げています。

 

5.笑わない君へ

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①あらすじ

口下手で色々と誤解されやすい性格の水柱・冨岡義勇。ある日、お館様が義勇以外の柱の皆に『義勇を笑わせてほしい』とお願いをしていたことが岩柱・悲鳴嶼の口から他の柱へと伝えられる。義勇のことが嫌いな風柱・実弥と蛇柱・伊黒、そもそも他人への関心が薄い霞柱・無一郎以外は、なんとか義勇を笑わせようとあの手この手を考えるが…

 

②時系列

那田蜘蛛山の戦いの後の柱合会議の後(コミックス6巻、アニメ23話の時空)

 

③感想

義勇にスポットが当てられるコメディ回です。お館様が義勇のことをコミュニケーションの面でも心配していたことがよくわかります… というのはさておき、この話では義勇を笑わせるために柱のメンバーが様々な一発芸や催しを披露します。また、この時系列では、炎柱・煉獄もまだ存命であるため、アニメや単行本以外で彼の姿を見られる貴重な話でもあります。

 

6.中高一貫!キメツ学園物語 〜パラダイスロスト〜

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①あらすじ

キメツ学園の文化祭では、音楽祭というイベントがある。そこには学内の様々なバンドが集まり、曲を披露する。今年もそれが行われることとなった。

その音楽祭に、炭治郎、善逸、伊之助、美術教師の宇髄天元からなるバンド、イカバンカラデモクラシーが出場予定であることがわかった。彼らは演奏の腕が絶望的に下手で、聴いた者はことごとく眩暈と吐き気を引き起こす、まさに悪魔のバンドである。彼らの出場を阻止すべく、文化祭実行委員の栗花落カナヲと煉獄千寿郎が今立ち上がる。

 

②時系列

不明。

 

③感想

キメツ学園ノベライズ第二弾です。コミックスのおまけページで登場したハイカバンカラデモクラシーが登場します。劇中でも説明されている通り、彼らは絶望的に演奏が下手だそうです。しかし、ある人物には彼らの曲がとても刺さるみたいです。

一方、今回の話で文化祭実行委員を務めているカナヲは、そんな悪魔のバンドに所属している炭治郎のことも好いています。つまり、ここでも炭カナを感じることができます。というのは冗談です…

 

あとがき

今回は「鬼滅の刃」小説シリーズの第二弾「片羽の蝶」を紹介しました。柱達の意外な一面が見られ、充実した内容でした。

次巻も柱の話が多めとなります。

 

それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!