澄田さんは綴りたい®︎

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『“やっと来れたね”、でいいんだよな?』虹ヶ咲アニメ第一話感想

初めまして。初めてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 

 2020年10月3日、いよいよ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメが始まりました。

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 元々アニメ化の予定がなかった虹ヶ咲、期待と不安が入り混じる中で迎えた第1話は、スタートとしては最高のものだと思いました。

過去の記事でも触れましたが、シリーズ構成の田中仁氏はいい脚本を書きますね。

虹ヶ咲アニメと同じスタッフの作品の感想まとめ - 澄田さんは綴りたい®︎

 

虹ヶ咲アニメと同じスタッフの作品の感想まとめ② - 澄田さんは綴りたい®︎

 

 田中仁氏は、序盤で作品のテーマとなる部分を提示し、それを最後まで貫き通してくれるタイプの脚本家だと思います。虹ヶ咲第1話では、主人公・高咲侑も度々口にしていた『トキメキ』というワードが重要であるかのように触れられていたため、あくまで侑視点ではおそらくそれを作品のテーマとして通していくのでしょう。

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 それで、肝心のアニメの感想はというと…

 まず開幕での優木せつ菜のソロ曲『CHASE!』。既存曲ではありますが、見せ方がとても新鮮であったように思います。

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 バトルアニメを思わせるファンタジックなライブシーンの演出。まさか「ラブライブ!」でこのような演出を見ることになるとは思いませんでした。燃え盛る炎の中で力一杯歌う様子もせつ菜のイメージとマッチングしており、彼女の個性を存分に発揮していたと思います。

 侑の幼馴染である上原歩の『Dream with you』も、『CHASE!』のようなファンタジックな演出が使われていました。

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 歩夢のライブシーンは、『無敵級*ビリーバー』でも見られたダンスを挟まない歌唱パートなど、特に従来の「ラブライブ!」とはかけ離れた演出が見られました。

 これらは侑の心象風景なのですが、虹ヶ咲のメンバーがソロだから、そして、侑が我々視聴者に作中人物からスクールアイドルを見たときの視点を与えてくれる人物だからこそ光る演出であると思います。そしてソロであるからこそ、尚更贅沢に感じます。このようなライブシーンが各メンバーで見られると思うと、楽しみで仕方ありません。

 

 お次はストーリーの話。今回の第1話は、スクスタ序盤でもあった主人公と歩夢がスクールアイドルに魅了される話と、同好会の空中分解を少しなぞっている感じですが、それがより洗練された完成度となっております。

 まずは最初の『CHASE!』のシーン、アニメ版の時空ではスクスタと違ってμ'sとAqoursは登場しないため、侑と歩夢がスクールアイドルを知るきっかけも大きく違ってきます。そのきっかけとなったのがせつ菜のライブというところも高評価ポイントで、スクスタ始動前からあったせつ菜の実力あるスクールアイドルという設定を上手く活かしています。自分はせつ菜推しでもあるため、そこは素直に嬉しいポイントでした。

 後に同好会に入る愛と璃奈の動かし方についても中々綺麗だと思いました。また、スクスタストーリーのようなテキストの塊だけどではイマイチしっくりこなかった璃奈の無表情な部分も、アニメでよりリアルさが増したと思います。

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 アニメ時空の璃奈は最初からボードがあるわけではないため、ボードを作る話もおそらくこれからやると思われます。

 せつ菜、かすみ、彼方、しずく、エマからなる初期同好会の空中分解についても、スクスタでは報連相が上手くなされておらずにあやふやになってしまっていたところをしっかり理由づけされている様子があり、そこも良き改変ポイントであると思いました。その理由については現時点では不明ですが、スクスタ以上に納得できる理由付けがされていることを信じます。また、エマが果林に同好会の廃部のことについて相談しているところも、果林の見せ場にも期待できる改変箇所であると思いました。

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 それから、歩夢と侑の関係性がスクスタとは大きく変わっているところにも驚きました。スクスタの歩夢は、あなたちゃん(スクスタにおける侑ポジのキャラ)に引っ張られる感じでしたが、アニメでは侑の『スクールアイドルを応援したい』という希望に応えるべく自らがスクールアイドルになるという、スクスタに比べて積極性が強化されているように見えます。それだけでなく、歩夢自身もせつ菜のライブに感銘を受けていることが説明されていたところも高評価できるポイントです。細かい見方をすればスクスタ同様にあなたちゃん/侑ありきなところは変わりませんが、自分から何かしたいということを早めに言えるあたり、スクスタとは大きく違うポイントだなと思いました。

 そして、侑がスクールアイドルを追いかけたいと言った時に歩夢が『予備校に通うって言ったでしょ』と言ったあたりは、リアルな高校生らしい事情が見られてよかったです。

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 余談になりますが、流しそうめん同好会なるものの存在には笑いました。

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 以上が、虹ヶ咲アニメ第1話の感想です。冒頭でも触れましたが、スタートとしては最高だと思いました。ただし、虹ヶ咲の母体コンテンツにして一応アニメの原作であるスクスタについては、キャラの扱いの格差や不自然なストーリー展開、それから、追加メンバーの不快感もあったため、ゲームを引退するくらいに失望してしまいました。おかげで虹ヶ咲運営については手放しに信用することが難しく、当記事のタイトルもやや含みのあるものとなっております。ですが、第1話の完成度は確かに高かったため、この調子で行けば面白い作品になると思います。主役メンバーが10人もいてソロ主体となると、掘り下げることも山ほどあると思いますが、それらを上手くまとめれば具沢山で面白い作品に仕上がると思います。一方で、スクスタで追加されたメンバーについては流石にアニメでは扱っているほどの尺はないように思います。

 

 それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。