澄田さんは綴りたい®︎

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『かわいいもカッコいいも共存できる場所のために』虹ヶ咲アニメ第2話「cutest☆ girl」感想

 前回に引き続き、今回も虹ヶ咲アニメの感想を書いていきたいと思います。

『“やっと来れたね”、でいいんだよな?』虹ヶ咲アニメ第一話感想 - 澄田さんは綴りたい®︎

 

 前回は第1話だったので、今回は第2話となります。

 

 今回のお話は虹ヶ咲のかわいい担当、愛すべき三枚目である『かすみん』こと中須かすみが仲間になる話でした。

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 それだけでなく、前回に引き続き他キャラの見せ場も作りつつ、そして、スクールアイドル同好会の方向性、その根底にある考えを提示することができた素晴らしい回でもあると思いました。

 前置きはこのくらいにして、感想に入りたいと思います。

 

目次

 

内容の振り返り

 かすみは自分の“かわいい”を追求できる『ワンダーランド』を目指していました。ここでもう、虹ヶ咲2ndアルバムに収録されていた彼女の持ち歌である『ワンダーランド』の要素も引っ張ってきており、良い演出だと思いました。そんなワンダーランドのために、スクールアイドル同好会に入ったかすみでしたが、きつい練習に疲弊し、さらに部長であるせつ菜との目指している方向性の違いから衝突してしまいました。

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 せつ菜は自分以外のメンバーのパフォーマンスが客に見せられるものではないと考え、『そんなパフォーマンスではファンの皆さんに大好きを伝えられない。スクールアイドルが大好きなんでしょ?』と押し付けがましい言い方をしてしまいました。それに耐えかねたかすみも、『こんなの全然かわいくないです』とムキになって言い返してしまいました。そうこうしている内に同好会は空中分解し、ついに生徒会から廃部を言い渡されてしまいます。このときの描写ですが、せつ菜だけが自分の考えを押し付けているのではなく、かすみも似たような感じに自分の考えを譲れないが故に衝突してしまったと受け取れるように描かれている点が、両者の株を下げない良い手法だと思いました。また、そのことについて侑がかすみに『誰だって譲れないものがある、それ故に衝突してしまうこともある』といった旨の発言でフォローしているところも良かったと思います。かすみもせつ菜も我の強い人物ですが、個々人の性格的な話ではなく誰にでもそのようなことは起こりうるものだと扱っているところが素晴らしいと思いました。

 

 主人公・侑と歩夢、そして今回の目玉キャラとなったかすみの絡みも、微笑ましくも素晴らしいものであったと思います。

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 かすみを『かわいいかわいい』とベタ褒めする侑に複雑な表情を抱く幼馴染歩夢。スクスタでも見られた絡みとなっており、微笑ましく思いました。さらに、かすみがスクールアイドルの先輩として侑と歩夢を引っ張っていこうとしているところも、スクールアイドル経験者という点を活かせていたと思います。そんな感じに先輩として2人をリードしようとしていたものの、歩夢には『かわいさが足りない』といった旨の発言を行い、『語尾を“ぴょん”を付けろ』だのと紹介ビデオでキャラ付けをしつこく迫ってしまいます。

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 かすみの押し付けがましい態度、アイドルとしては初心者なこともあり恥ずかしがる歩夢の表情から、もはや羞恥プレイの域にまで達しかけてしまいました。おかげで歩夢は一時『かわいい…コワイ』とつぶやくくらい落ち込んでしまいます。その後侑にせつ菜のことを愚痴りましたが、そこでかすみはふと、『自分もかつてのせつ菜のように、自分の考えを他人に押し付けているのではないか』と気がつきます。そこで上記にもあげた『誰だって譲れないものがある、それ故に衝突してしまうこともある』という旨の台詞で侑がかすみをフォローし、どちらが悪いとも言わなかったことも素晴らしいと感じました。

 また、歩夢がかすみに言われたキャラ付けの練習をなんだかんだでやっていたところも、彼女の努力家な面が現れていたと思います。

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 さらにここで、実際に(モデルとして)芸能活動を行なっている果林にアドバイスをもらうところもよかった点です。それもあって、最終的に自分で考えた自己紹介スタイルも『かすみんほどじゃないけどかわいい』とかすみが認めてくれました。

 

 そしてお待ちかねのライブシーン。かすみの新曲であるPoppin' Upが披露されました。

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 前回に引き続き、侑の心象風景によるファンタジックな演出が光ります。今回はお菓子が多めに登場し、よりかすみらしい可愛さが引き立てられています。曲自体も、かすみの前作である『無敵級*ビリーバー』で培われた伴奏のオシャレさと共に、『ダイアモンド』や『ワンダーランド』でのキュートな雰囲気が盛り込まれており、素晴らしい一曲でした。

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 このライブシーンの後、かすみは『かわいいもカッコいいも共存できる場所、それこそが自分の目指すワンダーランド』なのだと確信します。ここで、スクールアイドル同好会のソロの集まりという設定の根幹にある考え、そして、このアニメの目指すべき一つの場所がはっきりしたと思っています。

 

感想・総括

 アニメ版の中須かすみは、自分の『かわいい』に一生懸命なところとスクールアイドルに対する情熱はスクスタや今までの媒体と変わりませんが、メンバーと方向性の違いで揉めたことを気にしていた点や、自分も他人に自己の考えを押し付けてしまっているのではないかと悩んでいたことなどから、他者に気遣いができる、今までの媒体に比べると感傷的というか、より繊細な面が表に出ている性格になっていたと思います。また、顔芸もとい表情が豊かなところも良いと思いました。

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next虹ヶ咲

 一方そのころ、生徒会サイドでは……

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 果林が生徒会室に何やら下りを入れていました。ある日の放課後、エマ、彼方、しずくといったスクールアイドル同好会の元メンバーを集めて生徒会室に乗り込みます。果林はなんと、優木せつ菜という名前は生徒の名簿を見てもどこにも存在しない、そして、部長のせつ菜がいないのになぜ生徒会長が同好会廃部の決定を下したのか、それは生徒会長・中川菜々こそが『優木せつ菜』その人であるからだと見抜きました。

 せつ菜の正体については、スクスタをやっているファンなら多くの人が知っているでしょうし、スクスタをやっていなくとも勘のいい視聴者ならすぐに気づくと思います。つまりはある種見え透いたフラグなのです。それをだらだらと引っ張らずに、2話でサクッと解決するのは良き判断であると思います。他にも、これからは13話という限られた話の中で“スクールアイドルとしての”優木せつ菜を掘り下げ描いて行かねばならないため、正体不明ネタを引っ張っている暇はなかったのでしょう。さらにここで果林の株も上げているところもポイントです。もはや探偵や諜報員顔負けの情報収集力と推理能力です。

 その後、次回の第3話ではせつ菜回をやると思われます。

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 キャラの立ち位置や第2話で描かれた背景から、せつ菜は今のところ下手をすれば視聴者のヘイトを集めやすい人物であると思います。そのヘイトが溜まり切る前に、掘り下げからの加入(おそらく)をやってしまおうというのは名采配です。とにかくせつ菜推しとしては、次回の話も楽しみです。

 

 また、今回でオープニングも初披露となりましたが、全員曲ながら同好会の各メンバーの個性が表れていて良かったです。

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 今回の第2話は、かすみの掘り下げとともに同好会の方向性をはっきりと示せた回であったと思います。前回でも触れましたが、田中仁さんはいい話を書きますね。これなら次回の虹ヶ咲はもちろん、来年の「ゆるキャン△」二期も楽しみになります。

 

 それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!