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続・自分とラブライブ!の歩み-スーパースター‼︎に向けて過去作を振り返る編

 「ラブライブ!」シリーズの新たなるスクールアイドルグループ、Liellaが主役となる「ラブライブ!スーパースター!!」が7月にEテレで放送されることが決定しました(2021年現在)。

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 今回は、2020年に「ラブライブ!」シリーズ10周年を記念して書いた『自分とラブライブ!の歩み』シリーズの一環として、「スーパースター!!」に向けて過去作のアニメを振り返っていきたいと思います。

 今では知っている人も多いと思いますが、「ラブライブ!」シリーズでは学校を拠点に活動する“スクールアイドル”の姿を全シリーズ通して描いてきており、作品ごとに様々なスクールアイドルの物語を描いています。過去作を見たことがある人は過去作の魅力の再確認を、見たことがない人は新たに見てもらえるきっかけになれば幸いです。

 それでは本題に移ります。

 

目次

 

#ラブライブ!

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 「ラブライブ!」シリーズのアニメの記念すべき第1作にして、初代のグループ・μ'sの物語。監督は京極尚彦さん、脚本は「シュタインズゲート」や「境界の彼方」の花田十輝さん、キャラクターデザインは室田雄平さんです。話数は2013〜14年にかけて1期と2期で各13話、2015年の劇場版を含めて合計27話になります。東京都の秋葉原周辺が舞台です。

 

 ストーリーは、学校が廃校になることを聞いた後で偶然スクールアイドルの映像を見た高坂穂乃果が、幼馴染の南ことり園田海未とともにμ'sを結成するところから始まります。そこから更に作曲担当の西木野真姫、身体能力抜群の星空凛、アイドルに憧れる小泉花陽の1年生メンバー、アイドルオタクでスクールアイドル経験者の矢澤にこ、μ'sの名付け親で占い好きな東條希、バレエ経験のある生徒会長絢瀬絵里の3年生メンバーを加え、ときにぶつかり合い、つまづきながらも次々と快進撃を重ねていきます。

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 1期では母校音ノ木坂学院の廃校阻止、2期ではラブライブ!大会優勝を目標に展開がなされました。作風は『友情・努力・勝利』の少年漫画3原則(少年漫画ではないですが)に忠実で、美少女アニメでかつアイドルアニメながら、スポ根モノのテイストが強めです。比較対象として度々出される「アイドルマスター」がプロの事務所に所属して仕事をするアイドルの姿を描いている職業ドラマであるのに対し、「ラブライブ!」は部活モノや青春ドラマとしての側面が強いと感じます。だからこそ、2期の終盤で3年生メンバーの卒業と同時にμ'sを解散する決断には驚くと同時に限りのある青春の尊さを感じました。

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 その他にも、最初は人数が少なく、ファーストライブも客が数人しか集まらなかったのに、廃校回避やラブライブ!優勝に向けて次々と小さな目標が叶い、μ'sが人気者になっていく様子も見ていて面白かったです。

 また、ライバルグループのA-RISEも、μ'sと違ってリアルライブをやらないのがもったいないと思うくらい良いキャラで、持ち歌も素晴らしかったです。

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 最終章となる劇場版は人気になったμ'sが今後どうするのかを描いた話で、アニメの後日譚の側面が強かったです。エンディングの僕たちはひとつの光とともに有終の美を飾ってくれました。そして同劇場版で、μ'sは未来のスクールアイドルに夢を託していったのです。

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 筆者の推しは南ことりです。

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 癒し系の雰囲気や柔らかい態度、可愛らしい歌声が筆者に刺さり、1期9話の『wonder zone』披露回で推すことを決めました。

 

#ラブライブ!サンシャイン!!

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 無印「ラブライブ!」の続編にして2代目グループAqoursの物語。前作とは地続きですが、後々触れる舞台のことやストーリーの作風のこともあって、前作とは違った雰囲気のある作品です。脚本は花田さん、キャラクターデザインは室田さんが続投していますが、監督は酒井かずおさんが務めています。話数は2016〜17年にかけて1期と2期で13話ずつ、2019年の劇場版を含めて計27話となります。舞台は前作が東京都であったのとは打って変わって、静岡県の沼津・内浦と、「ラブライブ!」シリーズでは今のところ唯一地方を舞台にしております。そのため、ご当地アニメとしての側面も強いです。

 

 ストーリーは、秋葉原でμ'sのライブ映像を見た高海千歌が幼馴染の渡辺曜とともに母校浦の星女学院でスクールアイドルを始め、その次に東京からの転校生でAqoursの作曲担当となる桜内梨子を引き入れてグループを発足します。そこから更に、姉とお揃いでスクールアイドルマニアの黒澤ルビィ、図書委員で本が好きな国木田花丸、自身を堕天使ヨハネと称する現役中二病患者の津島善子からなる1年生と、お堅い生徒会長ながらスクールアイドルマニアの黒澤ダイヤ、家でダイビングをやっている松浦果南、高校生にして学校の理事長を務める小原鞠莉の3年生をメンバーに迎えます。ラブライブ!大会優勝、そして浦の星女学院の廃校阻止に向けて、自分達の『輝き』とは何なのかを探し続けながらAqoursは歌い続けます。

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 前作同様に『友情・努力・勝利』の3原則を抑え、前作の作風や雰囲気を継承しつつもハードな作風を取り入れています。1期8話では地元で名を挙げても本場で自分達の実力が通用するとは限らないこと、2期全体ではラブライブ!大会に優勝できても廃校を救えなかったなど、『努力が思った形に実を結ばないことの苦悩』を描いていました。しかし、テレビシリーズでの闘いを通して千歌達は『自分達の頑張ってきた軌跡こそが“輝き”である』と気づき、劇場版ではそれが未来にも繋がっていくと確信しました。

 「サンシャイン!!」のアニメは、『努力が思った形に結びつくとは限らないけど頑張ってきたことは無駄じゃない。だけどそれを否定せずに前に進めるか』というテーマであったと思います。無印「ラブライブ!」のテーマが2期最終話の穂乃果の『やり遂げたよ、最後まで』という台詞に詰まっているなら、「サンシャイン!!」のテーマは劇場版エンディング『next sparkling』『今だって未熟だけど、先へ進まなくちゃ、それしかないんだよね』という歌詞に詰まっているとも解釈できます。

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 ハードな作風の一方で、前作以上にライバルグループとの関係性が掘り下げられたのも特徴です。

 Aqoursのライバルとして登場したSaint Snowは、Aqoursと競い合うだけでなく一緒に歌を歌ったり、現実ではCDリリースやリアルライブへの参加があったりするなど、「サンシャイン!!」の看板グループの1つに数えられる様になっていきました。

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 更にはAqours同様に劇場版限定曲も用意されるなど、シリーズとしては新しい試みがなされました。

 

 ちなみにAqoursの筆者の推しは黒澤ダイヤです。

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 基本はクールでありながらもテンションの幅が広く見ていて面白かったのと、妹思いなところに好感が持てました。何気にAqoursの名付け親だったところも好感が持てるポイントです。

 

#虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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 「ラブライブ!」シリーズのスマホゲーム・スクスタ発のグループである虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を主役にした作品です。アニメはスクスタと違ってμ'sとAqoursは登場せず、虹ヶ咲だけの物語となっております。ファンの間では虹ヶ咲を3代目のグループとして数えない動きもありますが、アニメとしては3代目です。虹ヶ咲のアニメということで、ファンからは『アニガサキ』の愛称で親しまれています。

 スタッフは前作、前々作から入れ替わり、監督とキャラクターデザインに「三ツ星カラーズ」の河村智之さんと横田拓巳さん、脚本はメインライターに田中仁さん、サブライターに伊藤睦美さんといったプリキュアシリーズで活躍された方々が起用されました。そのために、前作や前々作、そしてスクスタとは絵柄も大きく違っています。


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   (なんということでしょう…!)

 2020年に放送され、現在は全13話です。舞台は東京都のお台場になっています。

 

 本作では「ラブライブ!」史上初のスクールアイドルではない主人公・高咲侑が登場しました。彼女は同好会のアイドルキャラ達をサポートする立場にいます。

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 虹ヶ咲のアニメは、侑がスクールアイドルに出会ってから同好会の仲間達との交流を通して自分のやりたいことを見つけていく話でもありました。 

 そんな主人公の侑が、幼馴染の上原歩と共に正体不明のスクールアイドル優木せつ菜のライブを見たところから物語は始まります。その後、可愛いことへの拘りが強い中須かすみ、ギャルで天才肌の宮下愛、スイスからの留学生エマ・ヴェルデ、機械に強い天王寺璃奈、寝ることが大好きな近江彼方、演劇部を兼部している桜坂しずく、読者モデルをやっている朝香果林といった個性的な仲間達が集まってきます。

 また、虹ヶ咲といえば各メンバーのソロでの活動が目玉であり、個人個人のスクールアイドルとしての方向性や曲風が異なっているところも魅力です。その設定を活かすためなのか、前作、前々作とは違い、話ごとに視点キャラが異なるオムニバス形式でストーリー展開がなされました。各メンバーに必ずソロのMVがもらえたことも、贅沢だったと思います。

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 ストーリー全体の作風は、ラブライブ!大会は目指さず、それぞれのメンバーが自分の好きなことを追求していく個人プレーが意識されています。無印「ラブライブ!」と「サンシャイン!!」がスポ根モノなら、虹ヶ咲は文化系であると筆者は解釈しています。また、前作、前々作に比べると日常系アニメに近い作風だとも思いました。それでも、『届け、トキメキ』というキャッチコピーの通り、せつ菜が発信した“大好き”が侑に届き、それを侑自身がスクールアイドルフェスティバルという形にしていったことで『誰かの大好きから新しい大好きが生まれる』というテーマは一貫していたと思います。このテーマはスクールアイドルを含むエンタメへの賛歌でもあると筆者は解釈しています。


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 終盤のスクールアイドルフェスティバルは、花形のスクールアイドルだけでなく、ファンも何かができるはずだと思わせてくれる展開でおり、逆にスクールアイドルからファンへお返しをする話だったと思います。

 

 ゲストメンバーとしてスクフェスの一般生(通称モブライブ)が登場したことも特徴的です。本作では彼方の妹・近江遥に代表される東雲学院のメンバー、綾小路姫乃に代表される藤黄学園のメンバーが登場しました。


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 虹ヶ咲のメンバーであるしずく、彼方、エマがモブライブ出身のキャラであるためにできた試みであると思います。

 その他にも、フェスなどの現場やネット上のコメントを含め、一般人のスクールアイドルに対する反応を細かく描いていたところも面白かったと思います。

 

 作品全般の話から一旦話題を変えます。

 虹ヶ咲における筆者の推しにして「ラブライブ!」シリーズ史上最も筆者の心を掴んだスクールアイドル、優木せつ菜の勇姿をぜひご覧ください。

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 クール寄りの熱血系な性格が刺さり、アニメ好きなところも親近感が湧きます。また、生徒会長・中川菜々としての姿も魅力的で、この二面性がまた面白いです。まるで変身ヒーローの様な面白さのあるキャラだと思います。

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 過去作同様に第2期があるからわかりませんが、これからもアニメの展開を楽しみにしています。

 

#あとがき『改めて、スーパースター!!に向けて』

 今回は「スーパースター!!」のアニメに向けて、読者の方々と一緒に「ラブライブ!」シリーズのアニメを振り返るという記事でした。こうして過去作を全て振り返ると、「ラブライブ!」も時代ごとに形を変え、遠いところまで来たのだと思えてきます。

 「スーパースター!!」では、無印「ラブライブ!」のメインスタッフだった京極さんと花田さんが加わっています。ここ最近はアニガサキを多めに追っていたため、久しぶりにスタンダードな「ラブライブ!」が見られるかもしれないことと、今までの「ラブライブ!」シリーズでは見られなかった試みがあることに期待しています。舞台は表参道とのことなので、聖地巡礼の方も機会があればしてみたいです。

 

 それでは今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

以下、このシリーズ過去の記事

自分とラブライブ!の歩み【上】全ての始まり、μ's・Aqours編 - 澄田さんは綴りたい®︎

 

自分とラブライブ!の歩み【中】変革の虹ヶ咲・スクスタ編 - 澄田さんは綴りたい®︎

 

自分とラブライブ!の歩み【下】9周年、そして時代は変わる編 - 澄田さんは綴りたい®︎