澄田さんは綴りたい®︎

好きなものを好きな時に書き綴るブログ

『Liella!達の戦いは、まだまだ続くぜ!!』ラブライブ!スーパースター!!総括

 はじめまして。はじめてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 ラブライブ!シリーズ4作品目のアニメとなるラブライブ!スーパースター!!が最終回を迎えました。本作では、原宿、青山周辺を舞台に、スクールアイドルグループ・ Liella!の活躍を描く物語です。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211019070900j:image

 そんな「ラブライブ!スーパースター!!」の個人的な感想ですが、結論からいうと今ひとつ乗り切れませんでした。全話通しても『面白い』という評価はしづらいです。一方で、主人公の澁谷かのんの物語としては良かった部分も多いと思いました。

 色々かいつまんでいますが、細かい感想は本文に書いていきます。前置きはこのくらいにして、本題に移ります。

 

目次

 

1.ストーリー展開全般

1〜3話

 「ラブライブ!スーパースター!!」のストーリーは、主人公の澁谷かのん結ヶ丘女子高校の音楽科に不合格となったところから始まります。ちなみに結ヶ丘は、神宮音楽学校の流れを汲む新設校で、音楽に力を入れる方針を取っています。

 話をかのんに戻します。彼女は高い歌唱力を持つものの、『人前で歌えない』という弱点がありました。ラブライブシリーズに限らず、多くの作品で主人公が挫折を味わう展開はストーリーの山場で多く見かけるだけに、最初からブーストがかかっていると思いました。また、かのん自身がそのように挫折からスタートする主人公であったことも、シリーズとしては新しい切り口でした。

 そんなかのんの歌声に魅せられた唐可可が、準主人公のポジションにいながらも主役チームの発起人としてかのんを導く構図も面白かったです。かのんと可可が2人でチームを組み、代々木のライブに挑んだ第3話は、話の好調なスタートを切れたと思います。人前で歌うのが怖くても歌うことを諦めたくないかのんと、かのんのことを肯定し共に歩んでくれた可可の関係性を丁寧に掘り下げた名エピソードでした。その他にも、本人曰く親に言われるままに生きていた可可がスクールアイドルに憧れを持つ理由がしっかりと描かれていたことも良かったと思います。

 音楽科入学という閉ざされた進路とは別で好きな歌を歌うという切り口は、歴代の作品と比べてみても多くの人が感情移入しやすかったでしょう。また、主人公の挫折からの再起というテーマは、多くの作品ならばクライマックスの展開でよく見る流れだと思います。その展開を序盤に持ってきた「スーパースター!!」第3話のパワーは凄まじいものであり、これからはどんな怒涛の展開が待っているのだろうと先の話が楽しみになりました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023131333j:image

 

4〜8話

 第4話以降は、元子役の平安名すみれ、ダンスが好きなかのんの幼馴染嵐千砂都、生徒会長葉月恋といったメンバーが加わっていきます。また、恋の加入するまでの話の途中途中で、結ヶ丘が音楽科を贔屓している体制なども強調されていきます。同時にここから先の話で、筆者が乗り切れないと思った点が増えていくことになります。

 第4話のすみれ加入回は、センターを我が物にせんとするすみれの野心家な部分と、『センターが欲しいなら奪いにきてよ』と彼女を焚き付けるかのんの台詞回しが見事だと思いました。同時に、今までは自信がなかったかのんがグループのセンターとして期待されていることを通して成長した良い回だと思いました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023132303j:image

 第5話は、本作のライバル枠であるサニー・パッションとの交流が描かれました。そこでかのんがメンバーの聖澤悠奈との会話を通して、うっすらと『みんなのために歌うこと』を意識し始める部分は、最終回の伏線となりました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023133827j:image

 第6話ではついに幼馴染の千砂都がチームに加わりますが、この時の展開にはついていけませんでした。千砂都は幼い頃、いじめられていたところをかのんに助けてもらい、以降彼女の隣に立てるくらい強くなろうと決心します。そこで、かのんが歌を極めるのに対して自分はダンスを極めようと思いました。そして、ダンスの都大会で優勝できなければ学校を辞める覚悟まで決めていました。大会の結果は優勝。千砂都としてはかのんの隣に立てるくらいの強さを得られたのでしょう。しかし、このとき千砂都は結ヶ丘の音楽科に籍を置いていましたが、スクールアイドルを始めるにあたって普通科に転科しました。

 千砂都が転科する展開には共感できませんでした。部活動や習い事と違って、学校の学科選択はその人の人生を左右しうる選択であるはずです。それを他人ありきの理由で選んでいた挙句、用が済んだらそれでおしまいという思考についていけませんでした。何より、幼少期から高校生までダンスを続け、大会でも優勝できるくらいになっていた千砂都が、かのんのことを抜きにしたダンスへの愛着はなかったのかと思いました。加えて、「スーパースター!!」はスクールアイドルを通した音楽科と普通科の融和を描くと思っていたらそうではなかったのかとも思いました。第4話まで、チームに入っていなくてもかのん達のダンスの面倒を見ていたこともあり、尚更そう思いました。また、アニメ化前からダンスが好きなことを売りにしていた千砂都が、そのダンスのために入った音楽科を辞めてしまうのは彼女のキャラ付けを減らす行いでもあるように見えました。その他にも、第6話のみとはいえ音楽科時代に同じ音楽科の恋との絡みがありました。もし千砂都が音楽科に籍を残していれば、恋の加入にも重要な役割を担えたと思います。それができていれば、μ'sにおける東條希に近いポジションのキャラになれた可能性があるだけに、もったいないことをしました。音楽科の生徒は普通科の部活動に入れないという決まりがあるならまだしも、それもなく『スクールアイドルに専念したい』という理由で普通科に移ったことは納得し難い展開でした。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023134931j:image

 ここまでなら、あくまで方向性が肌に合わない作品印象でしたが、第7話以降ではそうもいかなくなります。

 第7,8話を通して、最後のメンバー葉月恋が加入しますが、その過程は手放しで褒められないものでした。彼女は第1話からかのん達の活動に反対しており、度々非難する言動が目立ちました。それでも、目立った妨害工作や禁止などは行っていません。ただし、後程触れる『文化祭を音楽科メインにする』という発言は普通科の部活動には痛手であり、その普通科に属するスクールアイドル部にとっては間接的な妨害と言えるでしょう。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023135635j:image

 恋は7話で『普通科と音楽科が手を取り合う学校を作る』として生徒会長に就任しました。会長挨拶にて『文化祭は音楽科をメインにする』として公約を反故にし、普通科の生徒からは総スカンを喰らいます。恋がスクールアイドルに反対する理由を知りたいかのん達は、彼女から事情を聞きました。結ヶ丘の創始者である恋の母は既に故人であり、学校の経営も苦戦しているというものでした。だから恋が母の遺志を受け継ぎ、学校を切り盛りしていかなければならないと気負っていました。しかし、その背景に対して、恋が公約違反を行ったのは彼女の志に反する行いであるはずです。音楽科をメインに据えたがるのは何か理由があるはずだと筆者は踏んでいましたが、それが明かされることはありませんでした。スクールアイドルについては、恋の母も似たような活動をしていましたが、そのことを恋には一切話さずにいました。それ故に母がスクールアイドルをやっていたことを後悔しており、かのん達にも同じことをして欲しくないというとばっちりも良いところな理由で反対していました。目立った妨害こそしていないものの、理不尽かつ幼稚な理由に見えます。結局、恋の母はそんなことは思っておらず、恋の勘違いだったと母の手記から明らかになりました。一応、会長挨拶での振る舞いも許されたことになりましたが、思考がついて行きませんでした。加えて、音楽科と普通科に溝がある設定も、序盤のかのんのキャラ付けにしか役になっていないと思いました。また、結ヶ丘の経営難という今までのシリーズの廃校阻止に近い要素が加わったことにも思うところがありましたが、そちらは別の章で触れます。第7,8話は、恋の加入までの流れに共感できないことと、余分に感じる設定が多かったことがノイズになっていたと思います。

 そもそも、結ヶ丘という学校そのものに、守るべき理由が個人的には見出せませんでした。神宮音楽学校の名残もあって普通科を冷遇する体制、それによる学科間の対立もあり、学内の雰囲気も良さそうには見えません。その花形たる音楽科も、劇中で『結ヶ丘で1番成果を上げているのは普通科のスクールアイドル部だ』と言われるくらい立場を疑われる役回りになっています。そして、結ヶ丘設立までの流れ自体が、葉月家や恋の身に降り掛かった悲劇のトリガーになっているという見方もできなくない辺り、尚更魅力的な学校とは言い難く思いました。

 

9〜12話

 葉月恋を加えたかのん達は、グループ名を『Liella!』に決めました。ここからの話は、3話までほどではないにせよ、評価できる描写も増えていきました。

 第10話からは、ラブライブ大会に向けて話が動いていくことになります。予選ですみれがセンターを務めることとなりましたが、そこで一悶着ありました。すみれ自身は第4話でも触れられたように子役時代も主役を射止めることができないくらいオーラがないとのことでした。それがスクールアイドルでも尾を引いているという話でしたが、すみれ自身がLiella!内でもパフォーマンス力が高いことが描写されていただけに、『体良くすみれを扱き下ろす描写』に見えてしまいました。Liella!内でもすみれセンター撤回を仄めかす台詞があったことも、その印象を強めていました。ただし、可可がスクールアイドルで結果を残さなければ帰国しなければならないことを知ったすみれが、『私がセンターでは勝てない』とストイックにスクールアイドルに向き合っていたところなどの評価できるポイントもありました。それまでスクールアイドルを侮る言動をしていたすみれを嫌っていた可可が、彼女の実力を認める場面なども良かったです。一方で、可可自身がすみれを馬鹿にする言動もそれまでに積み重なっており、彼女の印象回復には今ひとつというところでした。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023143128j:image

 第11話は、かのんの母校である小学校で歌って欲しいという依頼がLiella!の元に届きます。そこはかのんが初めて歌で失敗した場所であり、彼女のトラウマになっていました。それ故千砂都が、かのん1人で歌わないと彼女は前に進めないとし、小学校ではかのん1人で歌わせる提案をしました。

 千砂都の提案は荒療治にも程があり、最終的に上手くいったのもあくまで結果論過ぎないとは思います。しかし、『今は1人じゃないから大丈夫』ではなく、『(歌が好きだった)あの頃のかのんちゃんがいるよ』とかのん自身に彼女を救わせる台詞回しは見事だと思いました。ラブライブシリーズだけでなく、チームで歌う作品全般としても珍しい切り口です。まさしく「スーパースター!!」のコンセプトである『私を叶える物語』を体現していたストーリーです。

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023144410j:image

 そんな「スーパースター!!」も、第12話と今までのシリーズよりも早めな最終回を迎えます。このとき、第7,8話で引っ張った学校の経営問題が恋の『お父様が寄付してくれた』、『入学希望者が増えた』という説明台詞で済まされたことはある意味驚きました。

 最終回でラブライブ予選にLiella!は負けてしまうのですが、そこでかのんは『応援してくれたみんなに何も返せなかった』と悔しがります。その前にサニー・パッションの2人から、『大会に出れば勝ちたいと思う理由がわかる』と言われており、まさに予選での敗退を通してその理由を知ったことになります。それまでは自分のために歌っていたかのんが『みんな』のことを意識し、みんなのためだからこそ勝ちたいという心境の変化が見られたところは良かったと思います。故に、「ラブライブ!スーパースター!!」は『澁谷かのん』という主人公を描く物語としては見事なものでした。ただし、敗北で終わる最終回の後味が良いかどうかは別問題です。それでも、続編はあるかもしれないので『Liella!達の戦いはまだまだ続く』といったところでしょう。

 

2.キャラクター描写全般

 「ラブライブ!スーパースター!!」では、今までのラブライブシリーズからは人数が減り、9人から5人になりました。9人体制では全てのメンバーを掘り下げるのに2クール必要な場合が多かっただけに、5人ではさらに深い掘り下げが見られると最初の頃は思っていました。しかし、実際は5人でもキャラの掘り下げの格差が多く、何より今までの作品が9人でやっていたことを5人に圧縮しているようにも見えました。加えて、主人公かのんの描写には力が入っている分、その他のメンバーの掘り下げが全話を通して浅く見えました。特に、第7話で可可が恋の対抗馬としてかのんをしきりにプッシュする態度や、第9話のグループ名決めを殆どかのんに押し付ける様子などに、それが顕著に表れていました。他にも、すみれ以降のメンバー加入でも、問題解決の美味しい部分をことごとくかのんが持っていく場合が多かったと思います。それ故に、星は星でも『1人の恒星と4人の衛星』のようにみえるパワーバランスと人間関係に見えました。かのん以外のキャラでは、初期から準主人公として登場していた可可や、個人回を2回もらえたすみれはまだ描写に気合が入っている部類でしたが、千砂都や恋には2人ほどの気合の入り方はあまり感じなかったと思います。

 特にすみれは、かのん達の振り付けをコピーするほどの実力を見せていたり、恋の公約違反に対してリコールを提案したりするなどの頼もしい描写がなされていました。にも関わらず可可からは攻撃的な言動を浴びせられ、第10話までは1.で述べた『体のいい扱き下ろし』で割りを食っていただけに扱いが良くないと思いました。

 恋は加入後は目立っている様子が少なく、ほとんどギャグ描写ばかりなされていたところも少し残念でした。そのために、Liella!内における彼女のポジションがはっきりしませんでした。

 一番目立っているかのんのキャラ造形も、最初の頃は挫折から始まって卑屈な面が強かったものの、4話からはカリスマ性のあるキャラとして扱われ始めました。そのため、今までの作品で例えるなら高海千歌のような比較的等身大の主人公か、高坂穂乃果のようにヒーロー然とした主人公を目指したいのかが個人的にはっきりとしませんでした。第1話冒頭の歌唱シーンも、『そりゃ大勢の前でギター持って歌っていれば目立つよね』と感じるくらいのものだったと思います。

 ライバルのサニー・パッションは、まともな歌唱シーンが描かれずにストーリー終了まで来てしまいました。Liella!が彼女達に負ける理由を納得のいくものにするためにも、話の途中で歌唱シーンは用意するべきだと思いました。

 

3.過去作ネタ全般

 「ラブライブ!スーパースター!!」では、過去のシリーズを意識した描写も多く見られました。第3話で初歌唱なのは本当にいつものことなので良いとしますが、生徒会長との対立や、学校の経営問題を繰り返すことは流石に引き出しが少ないのではと思いました。

 また、ストーリーでも過去作をなぞる流れが度々見られました。すみれがセンターを務めた第10話は無印2期の第5話、最終回は無印2期の第9話を連想しました。特に最終回の歌唱シーンは、無印2期9話で披露されたsnow halation(以下スノハレ)』を思わせる構図と演出でした。


f:id:kanehitoSUMIDA:20211023152701j:image

f:id:kanehitoSUMIDA:20211023152717j:image

 これについての感想は、最終回こそLella!のオリジナリティを出して欲しかったと思いました。加えて学校経営難や生徒会長との対立など、今までのシリーズをなぞるような展開が多かっただけに、尚更そう思いました。

 本作における過去作を意識した描写の意図は何だったのでしょう。最終回の歌唱で『スノハレ』を意識した演出で敗北したことを考えれば、『μ'sや過去作の模倣をしているだけでは勝てない』ことを伝えたいという見方もできるでしょう。曲のタイトルが『Starlight prologue』なのも、つまりそういうことでしょう。個人的にはきちんとLiella!のオリジナリティを出して欲しかったと思います。1クールかけてその内容をやるべきだったかは疑問です。もしその意図があったとしても、既に「ラブライブ!サンシャイン!!」1期10話で『μ'sの背中を追いかけているだけじゃダメだ』という決意をAqoursがしていたことも頭をよぎります。つまり、無印どころか「サンシャイン!!」ともネタや方向性が被っているという見方もできてしまいます。それ故に、本作で見られた過去作を意識した要素がプラスに働いているとは思いづらいのです。嘘でもシリーズのアニメが4作品続き、虹ヶ咲という変化球も挟んでいながらそのような展開を行う意図は理解できませんでした。

 ただし、ストーリー展開全般の話でも触れたように、かのんの話としては良かったと思います。それはまさしく、「スーパースター!!」のオリジナリティの一つと言えるでしょう。

 

あとがき

 今回は「ラブライブ!スーパースター!!」の全体的な感想を書きました。良かった部分もありますが、乗り切れない部分の方が個人的には勝ってしまったという印象です。

 

 個人的に見た本作の良いところと気に入らないところをまとめると、以下のようになります。

良かったところ

  • 最初は自分たちのために歌を歌っていたかのんが最終回で予選に勝てなかったことにより、応援してくれる人達に応えたいと思った部分をゴールに据えたところ。『みんなで叶える物語』と『私を叶える物語』は案外両立すると思った。
  • 第3話までのかのんと可可の描写。
  • 歴代でもトップクラスの作画。ラブライブシリーズの売りである楽曲。

気に入らなかったところ

  • メンバーの加入などで問題解決の美味しいところをかのんが集中的に持っていく部分。
  • かのん以外のキャラの出番格差。
  • サニー・パッションの歌唱シーンがない点。
  • 千砂都の普通科への転科。
  • 第7,8話そのもの。最終回で説明台詞だけで済まされた結ヶ丘の経営問題。
  • 過去作を連想する要素が多めに散りばめられているが、それらがプラスに働いているように見えないところ。

 

 尚且つ、群像劇色の強い作風など、従来シリーズのいいところが大事にされていない中で過去作オマージュを行う展開もちぐはぐに感じました。

 

 ただし繰り返しになりますが、最終回のかのんの決意は個人的に良かったと思います。

 今までのラブライブシリーズは、『友情・努力・勝利』のシンプルに燃える3本柱を意識しつつも、『勝利』以上に『主人公達が過ごしてきた時間こそが大切なものだ』とする価値観を描いてきたと思います。また、それがこのシリーズの良さでもあると個人的には思っています。そんな中で、明確に『勝つこと』にこだわるゴールが描かれたのは、「スーパースター!!」が初めてであったと思います。そこは評価したいポイントです。ただし、筆者は不純な思考の持ち主であるため、『これがもしバトルものやホビーアニメなら、勝つことにこだわり過ぎればかのんは闇堕ちするだろうな…』と思いました。特にホビーアニメなら、『勝てなければ意味がない!』と言ってホビーの楽しさを忘れてしまったラスボスにもなってそうだなと思いました。嘘でもバトルスピリッツのアニメシリーズで、「少年激覇ダン」から「ブレイヴ」を地続きで作る上で心を失った主人公を描いたサンライズのことです。なので、そういう方向性の話も期待できなくはないです。同じラブライブシリーズでも、アニガサキ序盤の優木せつ菜のような例があるため、かのんにもそれに通ずる危うさがある気がします。それでも、勝ち負けにフォーカスするなら、サニー・パッションの歌唱シーンはやはりどこかで入れておくべきだったと思います。

 

 そして、唐可可の帰国問題はおそらく続編に持ち越されることとなりました。個人的には、13話目などでその話をやるかと思っていたため、肩透かしを食らいました。本当に個人的な好みの話になりますが、12話で予選落ちした後でも、13話で可可の帰国問題に決着をつけた方がカタルシスがあったのではないかと思います。そうすれば、可可の掘り下げもさらに深くできると思いました。

 ちなみに、サニー・パッションの2人はかのんに『大会に出れば勝ちたい理由がわかる』と言っていました。もしかしたら、最終回のかのんのような出来事が彼女達にもあったのでしょうか。2人は地元・神津島を盛り上げるために歌っていると言っていたので、重いものを背負っている気がします。そこも気になるところです。

 

 余談ですが、推しは平安名すみれになりそうです。可可は最初の頃は好きでしたが、続編での描写に期待しようと思います。

 

 それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。