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『約3分ほどで語る、平安名すみれ個人回』ラブライブ!スーパースター!!10話感想

 「ラブライブ!スーパースター!!」も10話に達し、1クールなら終盤に差し掛かるところまで来ました。

 第9話でかのん達がLiella!を名乗るようになり、第10話ではラブライブ大会に向けての予選が描かれました。話の内容は、予選の課題として『ラップ』が挙げられ、デビジョンラップバトルが開催されました(大嘘)。縦軸の話としては、メンバーの平安名すみれがセンターを担当する『ノンフィクション』が披露されると同時に、センター就任に向けて覚醒していく様子が描かれました。

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 子役時代に、実力はあるものの主役を射止めることがままなりませんでした。スクールアイドルの世界でもそれを引きずっており、ファンは愚か、同グループのメンバーからの評価もなかなかに苦いものでした。しかしすみれ自身は、他のメンバーが見えないところで努力していました。

 第4話でのスクールアイドルを侮った言動が許せず、すみれに絡むたびに喧嘩腰な態度をとっていた可可も、そんなすみれの様子をこっそり見てからは考え方を改めました。そして、そんな彼女こそ課題曲のセンターに相応しいと思い始めます。それまですみれを罵る言動も少なくなかった可可が、すみれが陰で努力をする姿を見て認識を変える所はよかったです。その気持ちの表れなのか、すみれがセンターで着る用の衣装まで作ってくれていました。

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 また、このとき可可が『ラブライブ大会で結果を出せなかったら故郷に帰る』ように言われていたことをすみれが知ります。そのために自分はセンターをやるべきではないと思っていました。すみれがすみれなりに本気でスクールアイドルをやろうとしていたことの表れでもあると思います。ことあるたびに『ショウビジネス』『ショウビジネスの世界で生きてきた私は』と発言していたことも、自身の経歴や実力に対する自信のなさの裏返しだったと思われます。

 そして、すみれと可可が和解するシーンにて、衣装に付属するティアラが風で飛ばされるシーンも悪くはなかったと思います。風で飛ばされたティアラをすみれがハイジャンプでキャッチするのですが、『ここで掴んだ栄光を今度こそ手放すまい』というすみれの強い意志を感じました。

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 披露された楽曲も素晴らしく、ストーリー終盤に向けて加速していく良い回だと思いました。可可とすみれがお互いに激しい感情をぶつけ合った上で和解するところも良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無印2期の星空凛回のマイナーチェンジらしいところを除けば。

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 個人回でフォーカスされるメンバーが自分に自信を持てず、特別に用意された衣装を着ることを通して自信を身につける過程は無印2期第5話に似た流れだと思いました。

 あまり過去作を引き合いに出すのは好ましくないと思う方も承知していますが敢えて書かせていただきましょう。すみれも凛も、背景は違えど今までの人生経験から自分に自信が持てない性格でした。すみれはこの記事で触れた通りなので割愛しますが、凛の場合は自分に女の子らしさがないと思っていたことが自信のなさの基でした。ただし、凛は自分自信の内面に起因するものであったのに対し、すみれはそれよりも他者からの評価に起因するものでした。だからこそ理由も凛と比べるとよりはっきりしづらいと思います。それ故に、無印2期第5話のように『自分を変える』ことを重視する文脈よりも、『他者の評価を覆すまで頑張る』という落とし所に持っていった方がカタルシスがあるのではないかと思いました。

 そもそもすみれのデザインからして、派手さやオーラに欠けるという設定が今ひとつ納得できない部分もあります。金髪碧眼、スタイルの良さ、その上で振り付けを耳コピできるパフォーマンスの技術の高さと来て、『華がない』というのは個人的に頭を抱えたい部分に見えてしまいます。故に、周囲のメンバーや他の人間の評価が、『体の良いすみれsage』にも見えてしまう気がしました。

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 加えて第10話では、他のメンバーから『重要な役どころを任されると遠慮しがち』と触れられていましたが、今までの話とは微妙に食い違う気がしました。例えば、街角のスカウト相手にも『主役じゃないなら誘わないで』と強気な態度をとって見せたり、第7話では自ら生徒会長候補に立候補して(賄賂を使ってまで)恋と戦おうとしていました。故に、本当は引っ込み思案だったことが他のキャラの台詞だけで説明されても納得しづらかったです。

 可可がすみれに対して攻撃的な態度をとっていたことについては、第4話ですみれが大好きなスクールアイドルを侮る発言をしたことを引きずっているためであったことがわかりました。しかし、一部の視聴者の間では可可の態度が賛否両論だったことがありました。個人的にも、『スクールアイドルに一生懸命な可可』を描写するにしてはかなりセンスがずれていたと思います。

 スクールアイドルを自信が目立つための手段と少し考えていたすみれは、おそらく『視聴者の間でヘイトを溜めやすい役どころ』だったというのが製作陣の見解なのでしょう。現実は、すみれがスクールアイドルを侮る言動よりも、可可がすみれを罵る言動の方がトータルで多いような気がしました。また、すみれ自身は可可本人には喧嘩を売っておらず、それどころか第5話では可可を助けてくれていた場面(料理が苦手な可可を手伝う)もあっただけに、尚更可可の態度が礼節を欠くもの見える視聴者もいたのでしょう。そもそもすみれ自身に、弄られ役を回されてもそれを帳消しにできるくらいのアドバンテージが第10話までなかったことも、2人のパワーバランスが悪く見える原因だったと思います。ひとまず第10話では仲直りしましたが、以上が一部の視聴者の間で可可の方が槍玉に挙げられていた理由だと思います。

 それから、可可以外のメンバーがすみれをセンターとして認めるときの心境も細かく描いてほしかったです。すみれの見えないところで彼女からセンターを変更した方がいいのではないかという意見まで上がっていただけに、より不完全燃焼に思いました。

 

 色々書きましたが、第7話以降の話としては良い回だったと思います。しかし、続き物である以上、前話、前々話の影響を無視できないことも現実です。すみれ自身への好感度も確実に上がりました。

 

 それでは今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。