澄田さんは綴りたい®︎

好きなものを好きな時に書き綴るブログ

『ちょっと待て、それで良いのか、結ヶ丘』ラブライブ!スーパースター!!第4〜6話感想

 初めまして。初めてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 今回は「ラブライブ!スーパースター!!」の第4〜6話の感想を書いていきたいと思います。あらかじめ書いておきますが、今回の話には筆者にとって納得し切れていない部分があります。そのことはあとがきに詳しく書いてあります。

 前置きはこれくらいにして、本題に移りたいと思います。

 

目次

 

第4話

 第4話は3人目のメンバーとなる平安名すみれの加入回でした。この回が放送された日は高校野球の試合が雨天で時間が遅れ、その分「スーパースター!!」の放送も遅れることとなりました。

 平安名すみれは幼い頃からショウビジネスの世界で活動しており、様々な番組やイベントに出ていました。いわゆる子役です。しかし、主役級を射止めることがなく脇役続きで、気づけば高校生まで成長しました。今でも自分をスカウトしてくれる人を待つべく、放課後に街の中をうろうろしています。余談ですが、実家は神社をやっており、実家のお守りをつけています。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816110730j:image

 そんな中で、同じ学校でかのん達がスクールアイドルを始めたことを聞いてそれに興味を持ちます。

 

 一方かのん達は…

 第3話のフェスティバルで新人特別賞をもらい、活動が軌道に乗り始めました。理事長からは1位を取れと言われており、それには届かなかったものの良い結果を出しました。そのためか、『部』として扱われないものの『同好会』という形で活動を認められました。お台場の学校は関係ないと思います。かのん達の活動に否定的だった恋も、とりあえず部室の鍵はくれました。何故か2つ鍵を渡しましたが、何か理由があるのでしょうか。また、部室には『学校アイドル部』と書かれたプレートがあります。これも次回以降への伏線でしょうか。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816113403j:image

 同好会発足を前に『私達も歌で学校の力になりたい』と言うかのん。しかし恋は『スクールアイドル以外の活動なら応援します』と、未だに冷ややかな態度で接します。当然かのんはそれを受け入れるはずがありません。恋は理事長がかのん達の練習場所として屋上を解放したことを疑問に思い、理事長を問い詰めました。すると理事長は、『努力しようとする者からその場所を奪うのが良いことだと思いません』と諫め、恋の母もそう言うだろうと宥めました。


f:id:kanehitoSUMIDA:20210816111634j:image

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816111638j:image

 第1〜3話の記事でも書きましたが、ラブライブシリーズではその様な事態が直近で起こった事例としてスクスタのメインストーリーでの出来事がありました。こちらは新キャラが上手く機能している部活動の廃部を図ったり、秘密警察じみた組織をけしかけて活動を妨害するといったことがありました。第2話でもスクスタの展開を皮肉みたいな描写がありましたが、4話でもその様なことを繰り返したということはやはりはっきりとした理由があるのでしょう。第1〜3話の記事でも書きましたが、これらの台詞回しはおそらくラブライブは不正や理不尽が許される作品ではない』という意思表示の可能性が考えられます。恋の言動にはスクスタの三船栞子や鐘嵐珠の所業の片鱗が見られますが、主人公サイドが恋にきちんと反論したり、理事長などの周囲の大人が彼女を諌めたりしています。これにより視聴者のストレスを減らす工夫もなされています。そのため恋の考えも『闘うべき悪意』ではなく、あくまで個人の好き嫌いの範疇に収まっていると思います。逆に言えば、スクスタの栞子達に足りなかったものは横暴を指摘し諌める人物や、和解までのテンポの良さであったとわかります。ただし、栞子達ほどではないにせよ、視聴者達からヘイトを買う期間が長く続けば、それを解消するハードルも高くなるので注意が必要です。筆者も恋の態度にはスクスタの栞子達程ではないにせよ、ストレスを感じないことはありません。

 

 話をすみれに戻しましょう。スクーアイドルに興味を持ったすみれは、かのん達に入部希望を出します。子役として活動していただけあって、パフォーマンスのレベルはすぐにかのんと可可に並びました。しばらくしてすみれは『アイドルにはセンターが必要だろう』という話を2人に持ちかけ、その後に学校でセンター選挙を行いました。このときのすみれには『あわよくば自分がセンターに』という野心がありました。しかし同時に、マチュアであるスクーアイドルの世界なら自分もセンターを楽に取れるだろうという安易な考えもありました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816114827j:image

 投票の結果はかのんの圧勝。すみれの野心は叶いませんでした。かのんは第1話の冒頭でも歌で多くの人を魅了していたため、人を惹きつける素質があることは十分頷けます。センターになれないことが不満なすみれはかのん達の元から出て行ってしまいました。すみれがセンターにこだわる理由を知りたいかのんは、ある日彼女の後についていき、スカウトを待ち侘びてうろうろするすみれを目撃しました。そして尾行がバレて捕まりました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816115321j:image

 かのんはすみれから自分の過去と心境を教えてもらいました。そしてすみれ自身は『自分はそういう星の下に生まれた』と言っていました。さらに、スクールアイドルについては自分も楽にセンターを取れると安易な考えをしていたことも話しました。ここまでの描写ですみれの人柄は、『実力はあるが人を惹きつけるカリスマ性がない』というものだとわかります。かのんは一連の流れを可可と千砂都にも話しました。スクーアイドルへの情熱が激しい可可はすみれの考えに対し『スクールアイドルに対する侮辱であり冒涜』と怒りを露わにします。可可からの叱りを受けたすみれは再び街の中へと駆けて行きました。そこのモニターに映っていたかのんと可可の映像の真似をしていたところをかのんに見つかり、彼女から『スカウト』を受けます。かのんはすみれが毎日街中を歩いていたのは『あきらめない気持ち』があったからだと見抜き、『センターが欲しかったら奪いに来てよ』と加入を促します。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816120035j:image

 プロ意識の高いすみれを勧誘するには最適な台詞であり、かつては自分に自信が持てなかったかのんの成長を感じさせる台詞でもあります。また、『あきらめない気持ち』を胸にスクールアイドル活動を軌道に乗せたかのんが、同じく『あきらめ切れない気持ち』を抱えるすみれの背中を押すという構図も見事です。こうして、晴れてすみれがグループに加入し、まずは普通科の3人が揃いました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210816120902j:image

 第4話の話の流れは『実力があっても望んだ通りの場所で活躍出来るとは限らない、ならば別のフィールドで闘うのも戦略だがそこでもやはり競争が伴う』という芸事の厳しい世界を描いていました。しかしこれはラブライブ。その様にシビアな要素に触れつつも、『持たざる者も輝けるのがスクールアイドルの良いところだ』という希望を持てる展開にも繋げられていると思います。過去作でも高海千歌天王寺璃奈がそれを体現していました。

 

第5話

 平安名すみれを無事迎え入れたかのん達に、暑い夏が訪れます。しかし、その暑さが激しいため屋上は練習できる状況ではなく、室内は冷房がないため練習に身が入りません。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210828115736j:image

 ここで結ヶ丘の状況について触れておこうと思います。普通科と音楽科の間に格差や溝があることは前回の記事でも触れました。それは生徒達に用意された環境にも表れており、普通科は結ヶ丘の前身である神宮音楽学校の旧校舎、音楽科は綺麗な新校舎で過ごしています。葉月恋の発言や理事長挨拶の内容からして音楽科が優遇されている様子はなんとなくわかりますが、学習環境でも大きく差がつけられていました。では普通科は何のために存在するのかと言われると、おそらく音楽科の入試に落ちた生徒の受け皿や、(学費などを通した)資金調達のためなのでしょう。事実すみれも『ここは音楽科だけが特別みたいな学校だ』と評しています。よりによってその音楽科に属している千砂都の前でそのようなことを言ったことに関しては発言内容に気をつけた方が良いと思えなくもないですが、結ヶ丘の普通科は同じようなストレスを抱えている生徒も少なくないのでしょう。

 一応新設校という設定ですが、新設校らしい風通しの良さのようなものは今のところ見当たりません。

 

 話を本編に戻します。

 かのんの幼馴染の千砂都は、ダンスの都大会に参加してみないかという誘いがありました。しかし、かのん達のダンスコーチをやっていることもあってか、『少し考えさせてください』と一旦その予定を保留にしました。

 かのん達はというと、グループが次のステップに進むための会議をかのんの実家の店で開いていました。すると、ある2人組が訪れました。サニーパッションの2人です。f:id:kanehitoSUMIDA:20210828172548j:image

 第3話の代々木のライブで、かのん達のことを注目しており、その視察をしに来ました。どのようにしてかのんの実家を特定したかは怪しまれそうですが、かのんの仲間である可可は憧れの存在を前に興奮を抑えきれない気持ちが先走っていました。また、かのん達は2人に故郷の神津島で行われるライブに誘われました。とにかく活躍の場が欲しい3人は喜んで承諾しました。

 喫茶店を後にしたかのん達は、サニーパッションの2人とともにすみれの実家の神社で練習をしました。ダンスコーチとしてかのん達の練習に付き合っている千砂都も同行し、サニーパッションの2人にもそのことを明かしました。しかし練習では、かのんから『ちぃちゃんはここで待ってて』と距離を感じさせるやりとりもありました。練習に行く前も、『この3人が練習できる場所』と言っており、千砂都はかのん達にとっては完全にコーチ扱いなことがわかります。かのんと千砂都の会話は、幼馴染の間柄にしては冷たさを感じるやりとりにすら見えます。かのんは千砂都を仲間外れにする悪意はありません。それどころか、第2話でもあったように、かのんは千砂都の本文であるダンスを尊重してとても気を遣っています。だからこそ千砂都も、そのことにしんどさを感じているのだと思います。

 練習の後に千砂都はサニーパッションの2人についていき、かのん達の様子について2人の意見を聞いてみました。2人によれば、『かのん達は歌やダンスのレベルは高いが、“自分で動いている”感じがしない』、『特にダンスはその傾向が強い』とのことでした。それ故に『今のラブライブ大会に勝つのは難しい』とのコメントもありました。そのことを聞いた千砂都はかのん達とは別行動をとることを決意します。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210904174438j:image

 神津島に着いたかのん達は、サニーパッションの2人の意向もあってとにかく島を楽しんでいました。これにより、神津島ラブライブシリーズの聖地になったといえるでしょう。海辺の地域で合宿的なことを行う展開は、無印一期の第10話や「ラブライブ!サンシャイン!!」を連想します。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210904174709j:image

 かのんはというと、作詞のことで悩んでいました。新曲は千砂都のことも歌いたいと思っていましたが、かのんにとって千砂都がどういう存在なのかがはっきりしない様子でした。

 かのんは可可に千砂都との幼き日の思い出を語ります。歌のセンスがあるかのんに対し、『自分はかのんにできないことをやる』としてダンスを始めたそうです。そのこともあって、千砂都はダンスに本気で取り組んでいます。かのんの方も、そんな千砂都の本気を知っているからこそ、過剰に気を遣っていつの間にか見えない距離ができてしまったと思います。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210904175228j:image

 一方、かのん達と別行動を取った千砂都はというと、個別にダンスの練習に励んでいました。しかし、彼女の鞄からは何やら不穏な文字が書いてある紙がはみ出ていました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210904175409j:image

 

第6話

 第6話では、千砂都とかのんの過去が語られました。千砂都は小さい頃、他の子供にいじめられていました。「ラブライブ!」シリーズではモブキャラも含むて殆ど女性しか登場しませんが、ここでもそうでした。しかし、このいじめのシーンは女児のいじめよりもどちらかと言えば男児のいじめに近い雰囲気に思えました。そこはまだ本当に小さい子の喧嘩なのでそのような描かれ方をしても良いのかもしれません。年齢が高い子供のいじめはこれよりもずっと陰湿なものになります。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210906152634j:image

 そんな千砂都のことを助けてくれたのが、我らが主人公澁谷かのんでした。間違いなく千砂都にとって、かのんはヒーローであったと言えるでしょう。だからこそ、このときから千砂都は、自分がかのんの隣に立てるくらい強くなろうと決心し、かのんの歌に対して自分はダンスの道を志しました。

 

 時間は現代に戻り、かのん達は神津島のライブに向けての準備をしていました。そこでかのん達は、サニーパッションの2人がスクールアイドルをやる背景について話を聞いていました。サニーパッションの2人は、故郷の神津島を盛り上げるためにスクールアイドルを始めました。そのため、学校のみんなも彼女達に協力してくれています。かのんは『スクールアイドルに反対する者さえいる自分の学校とは反対』と受け取りました。しかし、その話を聞いて、自分も誰かのために歌いたいと思う気持ちがかのんにも芽生え始めたみたいです。こうしてライバルの掘り下げも深く行われていることは、過去作よりも主役組の人数を減らした甲斐があった部分だと思います。また、LINEのシーンで「ゆるキャン△」を思わせる演出があったのも面白かったです。


f:id:kanehitoSUMIDA:20210908094124j:image

f:id:kanehitoSUMIDA:20210908094122j:image

 

 一方、結ヶ丘にいる千砂都はというと、ダンスの練習中に恋と鉢合わせします。余談ですが、恋は音楽科でバレエをやっている様子が見られました。千砂都は隠し持っていた退学届を恋に見られてしまいます。何故そんなものを持っているのかと聞かれると、『ダンスの都大会で優勝できなければ学校を辞めてダンスの修行をする』、『かのんの隣に立つために自分1人でダンスで強くならなければならない』という胸の内を打ち明けます。このときは恋の抜けている一面や優しさも見られたところがポイントでした。

 

 場所は神津島へ戻り、かのん達はライブの準備をしていました。千砂都と連絡をとっていたかのんは、ある決断をします。

 結ヶ丘に残った千砂都は、いよいよ大会本番を迎えました。そこで、思わぬ人物が自分のもとにやってきました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210908095137j:image

 幼馴染のかのんです。このとき神津島にいたかのんが何の交通手段を用いて戻ってきたのか、そもそもライブに間に合うスケジュール調整ができていたのかということが気になりますが、かのん達の島での滞在時間がどれくらいの見積もりであったかにもよるでしょう。かのんは電話で千砂都の様子がおかしいことを察知し、心配で彼女の応援に来ました。そして、千砂都の不安を受け止め、『いってらっしゃい』と背中を押しました。このときまた、かのんの主人公ぶりに磨きがかかりました。千砂都も『待っててね』と自分の闘いに臨みました。

 

 ダンスの大会が終わった千砂都は、そのままかのん達のグループに加入し、共に神津島へ向かいました。個人的には千砂都の加入にもう一悶着あるかと思っていたのと、ダンス大会をやり切ったからといって千砂都が加入する意志を固める描写が見られなかっただけに、彼女の加入が駆け足に感じました。それはともかく、サニーパッションのターンが終わった後、クライマックスのライブシーンに移ります。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210908100320j:image

 披露された楽曲は『常夏サンシャイン』。神津島の自然や、そこでのサニーパッションとの絡みにインスパイアされた楽曲だと思います。それに相応しい明るい曲調でした。タイトルにシリーズ2代目の作品と同じワードが入っているのは偶然でしょうか。

 そして、千砂都のダンス大会ですが、結果は優勝でした。さらに、千砂都は大会優勝を気に普通科に転科することを決めました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20210908112426j:image

 学科選択自体は、その人の人生を左右し得るポイントだと思います。転科はつまるところ、人生の方針転換にも繋がる出来事だと思います。しかし、転科の流れは理事長が転科届けを見ただけで済まされていました。この転科について自分は思うところがありますが、詳しくはあとがきで書こうと思います。

 

あとがき

 「スーパースター!!」第4〜6話は、過去作を連想する要素が多かったと思います。第4話のすみれとかのんの『センターを奪いに来てよ』というやりとりは、『仲間でライバル』という虹ヶ咲の格言を思い出します。第5,6話の神津島でのライブやライバルグループとの深い絡みは、「サンシャイン!!」でも見られた要素を踏襲しているように見えます。これらの要素を踏まえれば、「スーパースター!!」はラブライブシリーズのアニメを総決算しつつ、新しいことに挑戦する作品であるようにも見えます。

 

あとがき②

 以下は批判的な表現が含まれます。苦手な方は注意です。

 

 第6話のオチについてですが、筆者は納得していない部分があります。

 千砂都はかのん達のグループに加入するにあたって音楽科から普通科に転科しました。 千砂都にとっては、ダンスで満足のいく結果を出せた、つまりはかのんの隣に立てるくらい強くなれたということなので、おそらくダンスに未練はないのでしょう。故に、音楽科に居続ける理由もなくなったのだと思います。しかし、学科選択というものは部活動を決めることとは違い、その人の人生を左右し得る選択のはずです。まして千砂都のダンスの実力を考えれば、普通科への転科は将来の可能性を狭めかねない選択であるといえます。第6話の台詞の通りに考えれば、千砂都はそれをかのんありきの理由で決めており、用が済んだらあっさり足を洗ったと受け取れます。それが千砂都の決めたことなら彼女の意志は尊重はしますが、共感することは難しいです。

 そもそも、グループへの加入に当たって転科を決める際の千砂都の心情が掘り下げられていませんでした。それも尚更引っかかりました。

 

 続いて、千砂都が転科したことで今後の展開に思うところがあったので、それについても述べます。そもそもスクールアイドルは音楽科から普通科に転科しなければできなかったのでしょうか。千砂都の意志を考えない話ではありますが、彼女が音楽科を続けた状態でスクールアイドルを始めれば、グループ全体のスキルアップに繋げることもできたのではないかと思います。千砂都のダンスについてはサニーパッションの2人も高く評価しているだけに、もったいないと思いました。また、サンシャインや虹ヶ咲といった過去作で『向かう先は違っていても想いは一つ』という展開を見てきただけに、それと比べてしまう気持ちもありました。何より、千砂都は幼少期から高校までの長い間ダンスを続けていて、都大会でも優勝を収めました。そこまでダンスに熱意を持ちながら、かのんのことを抜きにしたダンスに対する思い入れや愛着はなかったのかも疑問に思いました。

 例えば結ヶ丘の音楽科は部活動ができないくらい多忙である、あるいは音楽科の生徒は普通科の部活に入れないという理由があれば納得しますが、今のところそのような描写はありません。あったとしても、どの道結ヶ丘は碌な学校ではないと思うでしょう。(でもスクスタの虹ヶ咲よりはマシ)

 

 それから、千砂都が加入と同時に転科したことを考えれば、後に加入する葉月恋も普通科に移ることが予想されます。

 あくまで個人的な好みの話ですが、「スーパースター!!」は普通科の3人と音楽科の2人がLiella!内で共存する様子を通して普通科と音楽科の融和を描くものだと思っていました。結ヶ丘の2つの科の間で待遇の差や序列があることも、やがてLiella!がそのようにして普通科と音楽科の架け橋となる展開の前振りだと思っていました。もっと言えば、そういう展開を描くことによって『やりたいことをやるのに立場の違いや才能は関係ない』という落とし所を用意しているものだと読んでいました。今現在の展開になった以上、結ヶ丘の理不尽な校風は何のために用意された設定なのかがわからなくなりました。だからこそ、千砂都の転科は筆者が期待していた流れから外れるものであり、それだけに白けてしまいました。おそらく「スーパースター!!」はかのん達が底辺の立場(≒普通科)から駆け上がる『革命モノ』のような話をやりたかったのだとこの際は思うことにします。

 ここまでの話では、筆者が単にこの物語を誤読して早とちりをしていたのか、あるいは作品側が本当に裏切ったのかはわからないです。それにしても、普通科と音楽科は戦うことでしかわかり合えないのでしょうか。

 しかし、これから先の話がどうなるかはわかりません。それ故に、今ここで「スーパースター!!」はつまらないと評価を下すつもりもありません。

 

 最後は愚痴のようになってしまいましたが、ここまでが「スーパースター!!」の第4〜6話の感想になります。

 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。