澄田さんは綴りたい®︎

好きなものを好きな時に書き綴るブログ

「鬼滅の刃」無惨様のパワハラ会議の理由を真面目に考えてみるの巻

 はじめまして。はじめてではない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 近頃はコロナウイルスの影響で様々なことが延期になったり中止になったりすることが多い中で、「鬼滅の刃」20巻が無事発売されました。10月公開予定の無限列車編も、無事に上映されることを願います。

 

 今回は、『無惨様、なんでパワハラしちゃったの?』という話。無限城でのパワハラ会議の理由を考察していきたいと思います!

 

f:id:kanehitoSUMIDA:20200511131458j:image

と、思われそうな気もしますが気にせずやっていきたいと思います。

 

注意】この記事には「鬼滅の刃」コミックスの内容・アニメ化されていない内容の一部ネタバレを含みます。

 

目次

 

1.『パワハラ会議』って何?

 その詳しいことは、「鬼滅の刃」コミックス第7巻とテレビアニメ第26話にあります。那多蜘蛛山における鬼殺隊と十二鬼月下弦の伍(ナンバー5)・累の戦いでその累が倒されたことを受けて、鬼の首領鬼舞辻無惨が残りの陸(ナンバー6)と壱〜肆(ナンバー1〜4)を彼の根城である異空間無限城に集めます。

f:id:kanehitoSUMIDA:20200511161316j:image

(十二鬼月の下弦の鬼達。パワハラ会議の時点では、伍にあたる累は倒されています。)

 

 そして、下弦の鬼は弱いという理由から壱を除く全員を処刑してしまいました。

 ここまでに、

  • 下弦の陸は下弦の実力差について怒られた際に「そんなことを俺たちに言われても」と思ったため無惨に思考を読まれて処刑
  • 下弦の肆は会議早々に擬態の精度故に気づかなかったことを詫びただけでキレられ、その後は己と柱の実力の差を理解していた心を読まれ、その事について問われた時に「私は貴方様のために命をかけて戦います!」と無惨の発言を否定したことについて「お前は私の言うことを否定するのか?」と言われて処刑
  • 下弦の参は無惨から逃れようと全速力で逃げだしたところを気づかれたら首と胴が亡き別れに
  • 下弦の弐はまだ役に立てると主張して無惨に更なる血を分けてもらおうと願うが、それを「自分に指図した」として不遜とみなされ処刑
  • 1人残った下弦の壱は、『私は他人の不幸を見るのが好きです。』と言って無惨に気に入られ、血を多く分けてもらい強化を得る

と、大変理不尽極まりないやりとりがありました。このシーンは鬼舞辻無惨の残忍さと小物ぶりを読者及び視聴者に印象づけたと同時に、この理不尽過ぎるやりとりや無惨の台詞回し、それから、このとき無惨が女性の姿であったことなどから読者及び視聴者からネタにされました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20200513162803j:image

 しかし、下弦が弱いと言っても、鬼殺隊の(柱ではない)一般隊士からすれば脅威になる存在であることに変わりはありません。そのため、無惨は役に立つはずの戦力を自ら減らすという組織の首領にあるまじき行為をしてしまったと言えるでしょう。それでもなお彼がこのような行動に出てしまった理由をここから考えていきたいと思います。 

 

2.無惨からしてみれば

 まずは無惨の視点から考えていきたいと思います。無惨については、アニメの放送分だけではわからないことが多く、原作を読み進めていくとその詳しいことがわかります。ここではそれについて少し触れようと思います。

 

①単純に人員を補填するのが面倒?

 人食い鬼を増やすことができるのは無惨ただ1人です。上弦と下弦で6体ずつからなる十二鬼月は本来、その鬼の中でも特別強い12体として作られました。しかし、無限城でのやりとりによると、上弦の鬼は100年近く顔ぶれが変わらないのに対し、下弦の鬼は入れ替わりが激しいそうです。このことから、十二鬼月は上弦だけで良いと判断し、累を倒された怒りに任せて壱以外の下弦を粛正してしまいました。(もう“十二”鬼月じゃないでしょなどとは言ってはいけない

 それから、劇中では無惨の血を体内に送り込まれた人間が鬼になりますが、それで必ずしも全員が鬼になれるわけではなく、血の成分に細胞が耐え切れなければその人間は息絶えてしまいます。このことから、鬼を増やすのにもそれなりに手間暇がかかり、尚且つ運がいることがわかります。そのために、幹部格でありながら倒されやすい下弦を抱えておくことにメリットがないと判断したと伺えます。

 

②実は同胞を好きで増やしてはいなかった

 何より抑えておきたいのは、無惨自身は人食い鬼の同胞を好きで増やしていたわけではなかったということです。このことは原作の刀鍛冶の里編の後に明かされました。

 刀鍛冶の里で上弦の肆と伍が倒されたときに、ある鬼がついに最大の弱点であるはずの太陽の光を克服します。それを知った無惨は、自らも太陽を克服すべく、その鬼を狙って取り込もうと動き出します。そこで彼は、『千年近く増やしたくもない同胞を増やし続けた甲斐があった。』という旨の発言をしました。このことから、無惨自身にとっては鬼が組織として上手く成り立っていることよりも、自身が本当の意味で不死身になることが最優先であったことがわかります。さらに、公式ファンブック「鬼殺隊見聞録」で明かされた事実によると、無惨は強い鬼や太陽を克服できる人材を得るために十二鬼月上弦まで出世できたメンバーと似たような体質の人間を狙って鬼にしているそうです。つまり、普通の鬼はもちろん、十二鬼月も無惨の実験体であるということです。

 

3.下弦の鬼からしてみれば

 次に、パワハラの被害者である下弦の鬼達の視点から考えてみたいと思います。

 下弦の鬼は一応幹部格のキャラであるため、鬼殺隊の一般隊士からしてみれば普通の鬼以上に脅威となる存在であることに変わりません。しかし、鬼殺隊の柱にとってはそうでもなかったのではないかと思われる描写が劇中にあります。

 那多蜘蛛山で炭治郎達を苦しめた下弦の伍・累も、水柱・冨岡義勇が来たときに彼に首を切られ、一発ノックアウトされてしまいました。

f:id:kanehitoSUMIDA:20200513164408j:image

 

 パワハラ会議で呼び出された下弦の肆に至っては、柱に遭遇したら逃げようと考えていたそうです。

f:id:kanehitoSUMIDA:20200513164433j:image

(多分この人累くんより強いはずなのに…)

 

 さらに、パワハラ会議の中で無惨に気に入られて生かされた下弦の壱も、自身の能力を活かして炭治郎達を苦しめますが、能力の実態を見破られて柱ですらない炭治郎と伊之助に倒されています。

 劇中で上弦の鬼達が、柱を殺害、自身は倒されても柱を1人前線復帰できなくさせるなどの輝かしい(?)戦績を上げている一方で、下弦の鬼達がこのような調子ではどの道柱に倒されるか無惨に始末されるかであったと思われます。

 

4.終わりに

 今回は、ネタ記事としてパワハラ会議の理由を考察していきました。ここまで書きましたが、自分は別に無惨を擁護する気はありません。ただ、無惨がこのような行動に出てしまった理由を考えてみれば、また少し「鬼滅の刃」が面白く読めるのかな、と思います、多分。

 

 それでは、今回も最後で読んでいただき、ありがとうございました!