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令和コソコソ噂話 「鬼滅の刃」しあわせの花

初めまして。初めてでない方はお久しぶりです。澄田兼鈞と申します。

 

今回は、「鬼滅の刃」の外伝小説シリーズ第一弾「しあわせの花」の紹介をしたいと思います。

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社会現象にもなった大人気作品である「鬼滅の刃」ですが、小説シリーズはアニメやコミックスに比べてあまり知名度が高くないような印象を受けます。しかし、その小説にこそ、アニメやコミックスでは見られない鬼殺隊のみんなの日常や、本編では描かれなかった掘り下げがあります。だからこそ、より多くの鬼滅ファンに読んでいただきたいと思います。だからこそ、今回は小説のお話を、重大なネタバレだけはしないように紹介します。

 

【注意】この記事には「鬼滅の刃」の小説版の微ネタバレが含まれます。

 

目次

 

鬼滅の刃 しあわせの花』とは

吾峠呼世晴氏の漫画「鬼滅の刃」の外伝小説。著者は矢島綾氏。炭治郎、善逸、アオイを主人公にした話を4話、スピンオフ「キメツ学園」のエピソードを1話収録。

 

話の内容

1.しあわせの花

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①あらすじ

藤花家紋の屋敷で休息をとる炭治郎達。近くの村で祝言があり、そこである花嫁の姿を目にした炭治郎は妹・禰豆子の将来のことを案じる。村の子ども達の話によると、ある花を拾った女の人は将来良い人と結ばれるらしい。炭治郎はその花を探し、夜の山に出かける。

 

②時系列

鬼屋敷の戦いの直後、那田蜘蛛山の戦いの前(コミックス4巻、アニメ14話と15話の間の時空)

 

③感想

竈門兄妹の話です。このお話では、炭治郎が禰豆子のことを本当に大事にしているんだなということと、竈門兄妹の絆の深さを改めて実感します。また、台詞を回して話を動かしているのは炭治郎ですが、禰豆子が中心の話でもあるとも受け取れます。鬼になっている禰豆子は言葉らしい言葉をほとんど話しません。しかし、禰豆子の過去についても触れられる他、言葉は発せられずとも禰豆子の気持ちがわかる描写もあるため、そういう受け取り方ができる話だなと思いました。

 

2.誰がために

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①あらすじ

雷の呼吸の元・柱、桑島慈悟郎のもとで叱られながら、泣きながらも日々一生懸命修行に励む善逸。辛い鍛錬から逃げてきた彼は、その先で美しい少女に出会う。彼女は父が保身のために自分を鬼に食わせようとしていることを善逸に話し、それを聞いた善逸は調子に乗って鬼退治を引き受けてしまう。

 

②時系列

那田蜘蛛山の戦いの後に蝶屋敷で滞在している中で、善逸が過去の回想をする(コミックス6巻、アニメ24〜26話の時空)

 

③感想

善逸が炭治郎達に出会う前の話です。女の子に『助けて』と言われてついつい快く引き受けてしまうところは昔から変わらないみたいです。それが善逸の悪い癖でもあり良いところでもあると思います。本作では、ありし日の慈悟郎との絡みが見られ、彼が善逸のことを厳しく叱りながらも弟子として大切にしていたことがよくわかります。また、本作の結末は善逸からしてみればかなり苦い出来事だったなとも思いました。

 

3.占い騒動顛末記

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①あらすじ

町外れの任務を終え、蝶屋敷へ帰る炭治郎達。そこで占い師を名乗る老婆に声をかけられ、占いをしてもらう。結果は『女性に惚れられると良くないことが起こる』というものであった。その相が出ていたのは炭治郎でも伊之助でもなく、善逸であった…

 

②時系列

無限列車の戦いの後(コミックス8巻、炎柱・煉獄杏寿郎の殉職から遊郭潜入までの空白の期間)

 

③感想

またも善逸が主役の話です。今回はギャグ回となります。占いの結果を間に受け、次々と勘違い発言を連発する善逸や、それにツッコミを入れていく炭治郎と伊之助が面白いです。それから、意外にも伊之助が占いというものについて知識があることも明かされます。そのことには少し驚きました。

 

4.アオイとカナヲ

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①あらすじ

蝶屋敷で負傷した隊士の世話をするアオイは、カナヲのことが苦手だった。自分でしたいことを決められず、銅貨を投げてそれを決める様子にイライラしていたことが一つ。それから、鬼が怖くて戦闘を避けた自分に対し、鬼狩りの実力がはるかに高いことに劣等感を抱いてたからだ。

あるとき、蝶屋敷の主・蟲柱・胡蝶しのぶから、カナヲとおつかいに行くよう頼まれる。その道中で、様々な出会いが待ち構えたいた。

 

②時系列

炭治郎達が音柱・宇髄天元と共に遊郭潜入作戦を開始したとき(おそらくコミックス9巻の時空)

 

③感想

文字通りアオイとカナヲの話です。主役はアオイが務めています。本編では、負傷した炭治郎達の世話とリハビリという大事な仕事をしてはいたものの脇役であったアオイにスポットが当てられたため、外伝としてとても面白い話でした。また、『しあわせの花』の収録短編では個人的に一番面白かったです。アオイは良妻賢母感があって、「鬼滅の刃」のヒロインの中では個人的にお気に入りのキャラでもあります。

あらすじでアオイはカナヲのことが苦手だったと書きましたが、決して嫌っていたわけではありません。

おつかいの道中での出来事は、アオイが前線から退いてからやってきたことは無駄ではなかったと思える良いエピソードです。そこはぜひ、小説を読んで確かめていただきたいと思います。

 

5.中高一貫☆キメツ学園物語‼︎

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①あらすじ

学園の問題児達に絡まれ続けたことから風紀委員会を辞めたい善逸。友人の炭治郎に代わりをやってくれと頼むも『パン屋の手伝いがあるから無理』と断られる。どうしても風紀委員会を辞めるべく、学園中の色々な人に相談して回るのであった。

 

②時系列

不明。

 

③感想

コミックスのおまけページやアニメの次回予告でのみ展開されてきた公式学園パロ「キメツ学園物語」。その本格的なストーリーがついに小説版で描かれます。こちらもギャグ回となひます。「鬼滅の刃」の登場人物達で現代の学園ものをやるとこんな感じになるのか、と思いました。それだけでなく、「鬼滅の刃」の劇中のネタを一部拾っているところも好感が持てる部分であったと思います。

 

あとがき

今回は「鬼滅の刃」の外伝小説シリーズ第一弾の紹介をさせていただきました。本編では見られない登場人物の姿が見られるなど、読み応えのある一冊でした。「鬼滅」ファンなら読んで損はないと思います。

 

それでは、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!